新潟市美術館 「生誕110年―香月泰男展」に行ってきました!
確定(還付)申告終了の開放感から、新潟市美術館へ
新年明けて世間は仕事始めの1月4日、
朝イチで新潟市税務署に行ってきました。
初めてのことだらけで不安しかなかった令和3年度の確定申告、
何をどうしたらいいのか方向性を教えてもらおう、
というのが当初の思惑だったのですが、
行ってみたら全て完了!
その話はこちら:還付申告終了!朝イチで税務署に行ってきました。
還付申告が終わってしまいました。
開館する8時半より前から待って、
全て終わって税務署を出たのが午前10時ごろ。
なんだかとてもスッキリして、このまま帰るのがもったいない。
ということで目の前の新潟市美術館に行ってみることにしました。
美術館の駐車場には車が数台停まっていました。
今何の展示をしているのかもわかりませんでしたが、
もし何もやっていなければ
ミュージアムショップを見るだけでもいいと思って中へ入ります。
「生誕110年―香月泰男展」1月23日まで開催中
美術館もこの日が仕事始めのようで、
ショップやカフェの方々が新年のご挨拶をしあっていました。
企画展は昨年の11月27日から開催中の
「生誕110年―香月泰男展」が引き続き展示されています。
正直、私はこの画家のことを初めて知りました。
太平洋戦争に従軍し、シベリアに抑留された体験を
「シベリア・シリーズ」として描いたことで知られているそうです。
戦争画は好んでみることをしてきませんでしたが、
数年前、東京近代美術館の常設展でレオナール・フジタの戦争画に触れて以来、
避けてはいけないと思っているところへこの展示、
見なきゃ、という気持ちになりました。
新潟県初の大回顧展という位置付けになっているようです。
山口に生まれ東京美術学校西洋画科に学ぶ
香月泰男は山口県の人で、
東京美術学校西洋画科に学んでいます。
この企画展にも初期の作品が多数展示されていました。
「少年」をモチーフにした作品が多くありました。
1940年ごろにはこうした少年を扱った抒情的な画風で注目されたようです。
太平洋戦争に召集、満州で敗戦を知り、シベリア抑留
が、1943年に召集され、満州で従軍、45年敗戦を知ります。
そしてそのままシベリアに抑留され地獄のような2年間を送ります。
その記憶をもとに、後のシベリア・シリーズを描き始めるまでには
10年ほどの時間が必要だったようです。
1947年に復員後、しばらくは鮮やかな色彩の、
食材や動植物などの作品を多く描いていました。
1957年ごろから次第に黄褐色とマットな黒を基調とする
重々しい表現方法を確立していき、
ほとんど黒の世界で戦争の記憶を描き
シベリア・シリーズへと発展させています。
シベリア・シリーズの絵画は57点展示されていて、
画家自身のコメントも添えられているものが数多くありました。
どれも死と直面した重苦しく目を背けたくなる題材の作品にもかかわらず、
強く引き込まれてしまうのはどこか作者の気持ちの暖かさが
感じられるからなのかもしれません。
それでもシベリア・シリーズの作品群を抜けて
明るい色彩の絵を見たときはホッとしてしまったのも事実です。
新潟市美術館はちょっと渋くて可愛くて落ち着く場所
新潟市美術館は新潟市出身の建築家・前川國男の設計によるものです。
道路をはさんで西大畑公園という公園があります。
この公園も同氏の設計によるもの。
この2つの施設のある敷地は以前、旧新潟刑務所のもので、
美術館のあるところには監舎が、公園のあるところにはグラウンドがあったそうです。
公園と美術館を一体的に設計することがコンペの要件でした。
前川氏設計の建物には
上野の公園口まん前にある東京文化会館や、国立西洋美術館、
そして東京都美術館などがあり、
その他にも日本全国の多くの美術館や博物館、
県や市などの行政庁舎などなど数えきれないほど。
新潟市美術館ではこんな冊子を作って
前川氏の功績を多方面から讃えています。
オリーブグリーンのタイルに包まれた外観も渋いですが、
館内にもちょっとした色使いとか可愛くて
中庭の彫刻とか
ソファの色とかあそび心がいっぱいです。
ちょっと渋くてレトロ、いつきても落ち着く、とてもいい美術館です。
ミュージアムショップも個性的
ここのミュージアムショップは新潟市美術館の魅力の一つです。
ミュージアムショップはこちら:https://lululu.thebase.in
品揃えのユニークさはピカイチだと思います。
ここは上古町にあるヒッコリー03トラベラーズが運営していると聞けば
それもうなづけます。
まとめ
新年早々、税務署で還付申告を終えてスッキリ!
そのまま帰る気にならず、近くの新潟市美術館へ行ってきました。
昨年から開催中の「生誕110年―香月泰男展」は1月23日まで。
初めて知った画家ですが、シベリア・シリーズをはじめとする150点もの作品、
ボリュームもインパクトも大きい、印象的な展示でした。
美術館のあと、古町・藪蕎麦に寄って帰りました。
牡蠣そば狙いだったのですが、市場がこの日までお休みで牡蠣は明日からだそう。
代わりに鳥南蛮をいただきました。