初めて知る、心ときめくキャディスプーンの世界!
キャディスプーンって知っていますか?
燕市さん3号資料館で12月3日から開催中の
キャデイスプーン展に行ってきました!
キャディスプーンって知っていますか?
私は今日の今日まで知りませんでした。
キャディスプーンとは紅茶を箱や壺からすくう時に使う
装飾性の高いスプーンのことだそうです。
日本茶で言うと茶筒の中の茶匙(さじ)のようなものでしょうか。
そんなキャディスプーンの展示会に行ってみたいと思ったのきっかけは
こちらのポスター。
先日、新潟税務署で令和3年度の還付申告を奇跡的に完了した後、
近いので寄ってみた新潟市美術館のフライヤー(リーフレット)コーナーの
壁に貼られていたポスターです。
その様子はこちら:新潟市美術館 「生誕110年―香月泰男展」に行ってきました!
残念ながらこの展示会のフライヤーは見当たらず、
気になってポスターを写真に収めてきたものです。
何、これ?かわいい!見てみたい!
期間は16日まで。行ける日があるかな?
と家で手帳とにらめっこした結果、昨日の午後なら行ける!
ということで車で1時間ちょっと走って燕まで行ってきました。
実はこの時はまだキャディじゃなくて
キャンディスプーンだと思い込んでいたのですが笑
史料館の受付でチケットを購入する時に初めて
キャンディじゃなくてキャディだと知りました💦
奥深い紅茶の世界を知る
キャディスプーンとは
紅茶の葉を入れてある箱や壺からすくう時の
スプーンだということを知ったのも初めてですが、
その紅茶自体がものすごく貴重なものだったということも
初めて知りました。
ヨーロッパにお茶がもたらされたのは17世紀ごろで
イギリスの貴族社会で次第に人気を高めていったそうです。
中国から英国へのお茶の輸入が活発になると
茶箱に入っていたお茶の香りなどを見るための道具として
帆立貝のような貝殻が使われたのが
今の形の原型となったと言われています。
今回の展示は生涯かけて収集されたコレクターの方の
コレクションからの展示だそうです。
お茶は鍵付きの箱に保存されていた!
その後お茶はとても貴重なものとして
ティーキャディ(またはキャディボックス)と言う蓋付きの箱に
鍵をかけて保存されていたと言うのも驚きです。
茶道でいう棗(なつめ)の鍵付き、でしょうか。
日本の茶道でもお茶は高貴な人の文化として発展して、
高価で貴重なお道具が多くあるのと似ているかもしれません。
その箱から茶葉をティーポットに移すためのスプーンが
キャディスプーンだったというわけです。
イギリスでお茶が流行り出すと
政府は重い税をかけ始めます。
当時、お茶一握りと銀一握りが同じ価値だったとか。
それほどお茶は貴族層や富裕層の
権力と富の象徴として位置付けられていたそうです。
それほど高価なお茶の保管を厳重にするために、
宝石箱のような鍵のかかる箱を作り、
表面には美しく装飾をほどこしました。
このキャディボックスと呼ばれる箱の中には
さらに2つの箱があって、
紅茶と緑茶を分けて保管していたそうです。
そういった特権階級の人々は
客人の目の前でキャディボックスの鍵を開けて
保有している貴重なお茶でもてなすことが
権力の象徴だったというわけです。
紅茶イコールイギリスのイメージは持っていましたが、
そんな背景があったとは知りませんでした。
今もたくさんの銀器が残る、銀の国イギリス
イギリスでは今もたくさんの銀器が残されているそうです。
銀器は貴族階級のみで使用される高価なもので、
現在でも貴族階級が残るイギリスでは
銀器は代々受け継がれて残っているとか。
また産業革命時に植民地開発や貿易商として
富を得て誕生したミドルクラスの人々が
貴族をまねた生活をしたことで
そこでも多くの銀器が生まれることになったそうです。
フランスなどでは革命時に銀器は溶かされて
お金に姿を変えてしまったとか。
ホールマークの話
展示のあちこちに虫眼鏡を設置して
その品質の打刻印を見せる工夫がされています。
シルバー製品を管理するにあたり
刻印されているマークのことをホールマークと言います。
イギリスでは銀の純度が92.5%のシルバーには
歩くライオンの刻印がされています。
この制度ができたのはヘンリ8世の1500年代頃だそうです。
当時フランスやスペインとの交易に銀が使用されていましたが、
その純度がまちまちなのにも関わらず重さで取引をしていて
純度の高いイギリスの銀が国外へ流出してしまい国王が激怒!
その対策として銀の品位に基準を設ける制度ができたとか。
気になって日本のホールマークについて検索してみました。
日本では造幣局が公的な第三者として
貴金属製品の分析、試験をして
試験に合格したものにマークを打刻してその品位を証明しているそうです。
造幣局のHPって初めてみました!
造幣局のホールマークのHPはこちら:https://www.mint.go.jp/operations/exam/operations_certification-01.html
紅茶の話
中国の紅茶
お茶の発祥地は中国とされ、
ヨーロッパに伝わったのは17世紀初期だそうです。
特にイギリスで人気を博し、
18世紀から19世紀にかけて福建省で生産されたウーロン茶が輸出され、
ボヘアティとしてイギリスで珍重されたとか。
その後製法がキームン(高級茶として知られる)に伝わり紅茶が生産されるように。
現在はキームン、福建省のラプサンスーチョン、雲南省の雲南紅茶などが生産されています。
インドの紅茶
インドは世界最大級の紅茶の生産地です。
1820年代にアッサム地方で野生の茶樹が発見されて以来、
インドを植民地としていたイギリスはお茶に関する委員会を設置、
お茶の栽培や開発が進められたそう。
その後アッサムの紅茶が初めてロンドンのオークションに登場したのだとか。
当時イギリスでは急激な紅茶需要の増加に対応しようと、
中国以外の国での紅茶栽培を模索していて、
中国と気候風土や地形が似ている場所として
ダージリンとニルギリが選ばれたそうです。
日本の紅茶
日本もかつては海外に紅茶を輸出していた時代があったそうです。
明治時代、海外での紅茶需要に注目した明治政府が
輸出目的で紅茶生産を始めたとか。
緑茶の輸出がふるわなかったため紅茶に着目。
次第に技術も向上し生産量を伸ばして行きましたが、
1971年に紅茶の輸入自由化で国内産紅茶はほぼ姿を消してしまったそうです。
マイベスト・キャディスプーンはこちら!
1つ選ぼうと思いましたが、
どれもそれぞれ味があって素敵です。
今こうして見ているだけでも
心ときめく世界。
こちらはポスターに選ばれていたスプーンです。
日本の松竹梅モチーフのものもかわいい。
これも素敵。
見れば見るほど魅力的なキャディスプーンの世界。
魅了されました。
まとめ
美術館で見かけたポスターがきっかけで
そのかわいい姿が気になっていってみたキャディスプーン展。
そのかわいい形状も見ていて飽きませんが、
いやぁ、なんとも奥の深い紅茶の世界を知りました。
とーってもいい勉強になりました。
これからは紅茶を見る目が変わりそうです。
キャディスプーン展、1月16日まで。