東京国立博物館の優美な洋館・表慶館が素敵すぎる!
上野の東京国立博物館の表慶館に行ってきました!
上野の東京国立博物館の表慶館に行ってきました。
1月7日から開催中の「ユネスコ無形文化遺産特別展 体感!日本の伝統芸能 歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界」をみるためです。
この展覧会、本来は東京2020オリ・パラを機に開催される予定でコロナで中止になったのですが、今、一部リニューアルして開催されています。
知っているようで知らない日本の伝統芸能の世界が、とてもわかりやすくまとめて展示されていてとても勉強になりました。
特に文楽、雅楽、組踊については今まで接点がなく未知の世界だったので、新たな世界が目の前に広がりました。
その展示についてはまたご報告します。
今日は展示と同じくらい素敵だった会場の表慶館をご紹介します。
今まで前を通ることはあっても、中に入ったことはなかったので、今回初めてその素晴らしさに触れました。
表慶館とは
片山東熊先生との立て続けの出会い!
明治33年(1900年)、のちの大正天皇である皇太子ご成婚を記念して計画され、明治42年(1909年)に開館した、日本で初めての本格的な美術館です。
設計は東宮御所(現在の迎賓館)を手がけた宮廷建築家の片山東熊。
大正天皇の皇太子時代、片山東熊…、このコンビ、つい最近も出会っています。
鳥取で出会った素敵な洋館・仁風閣です。
その話はこちら:皇太子を迎えるために作られた!素敵な洋館・仁風閣
仁風閣は皇太子の鳥取行啓に際して片山東熊が設計して作られたと学びました。
そして片山東熊にはもう1つ、最近出会っています。
暮れに伊勢神宮を訪問した際、定休日で入れなかった神宮徴古館です。
その話はこちら:伊勢の旅・内宮参拝後…歩いて別宮めぐり
あいにくこの日は定休日で中には入れませんでしたが、素敵な姿は見ることができました。
そして、伊勢、鳥取、そして今回と、立て続けに3ヶ月の間に3回も片山東熊先生の建物と出会うとは、ご縁を感じてしまいます。
3つのドーム屋根が美しい!
こちらの表慶館は中央と左右に美しいドーム屋根があり、
上層部の外壁には製図用具、工具、楽器などをモチーフにしたレリーフがあります。
明治末期の洋風建築を代表する建物として昭和53年(1978年)に重要文化財に指定されています。
正面玄関を入ると中央のドームの下に円形の広場になっていて
上を見上げると2階の美しい8本の円形の柱の先に、ドームの緑の透かしガラスが光と透過して輝いています。
その周りの壁面に描かれたさまざまな形のモチーフやそれを囲む飾りもとても優美で美しいです。
1階部分の柱は四角く重厚感のあるものになっています。
展示室への入り口の扉も高くて大きい立派な作りです。
階段の全てが優美!
2階へと続く階段もとても美しいものでした。
階段はアーチ型の壁のところで左右に分かれています。
あらゆるところに曲線が美しく配置されていて、とても優雅です。
手すりの透かしぼりの細工も、
手すりの飾りも、
とても繊細で美しくただただ優美です。
踊り場上の窓も緩やかなカーブを描いています。
踊り場から2階を見上げると階段を登り切ったところも緩やかなカーブを描いて吹き抜けに少し迫り出していて、
それを花のような飾りがしたから支えています。
その迫り出した部分の床面にはタイルが楕円形を描いています。
階段部分では左右対称になっていた手すりの透かしのぼ唐草模様はのがここで出会っています。
細部の細部まで可愛らしくて、胸がキュンキュンしてしまいます。
2階から階下を除くとこのようになっています。
優しいタイルの色使いも上品でとても可愛いです。
円形の壁面のレリーフも優美さに花を添えています。
ドームを支える円柱のイオニア式の柱頭が美しい!
2階から天井を見上げてみました。
8本の円柱の上には金色の飾りがついています。
この部分のことを「柱頭」というそうです。
ギリシア建築の特徴なのだそうですが、柱頭は時代の古い順に3つに分けることができるとか。
最初はドーリア式といって、ぼてっと太い印象の、柱頭に飾り気の無いもの。
次にイオニア式といって、柱はやや細めで、柱頭に羊の角のような飾りがついているもの。
最後がコリント式といって、柱頭に技巧的で華美な装飾がついているもの、だそうです。
この柱は羊の角の飾りがあるので、イオニア式ですね。
2階から見るとさらに天井の透かしが綺麗に見えます。
円柱が立っている2階の石の手すり部分は、とてもどっしりとしていますが、ここも曲線が多く使われていてとても優しく美しいです。
1階ロビーの床のタイルがかわいい!
2階から階下を見下ろすと、1階にいた時には気が付かなかった床のタイルの模様が浮き上がりました。
太陽のような中心の模様を4つの円が囲んでいて、一番外側の円周を沢山の円が囲んでいます。
色といい、形といい、とてもかわいいです。
吊るされた丸い電灯もとても可愛いですが、円形のドーム部分にも電灯が付けられていて優しい光を演出しています。
再び階段の美しさに魅了される!
反対側の階段です。
外の緑が大きな窓枠の色ととても似合います。
何度見ても惚れ惚れする階段の手すり。
この曲線がたまりません。
2階の踊り場部分のアップ、モチーフは花でしょうか。
こちらのレリーフのモチーフも花でした。
階段の一番下の段が曲線で終わっているのも素敵です。
消えかかった表慶館の案内板
退館するときにミュージアムショップ近くの裏門から出てみました。
建物の横を通って、正面玄関側に出ることができます。
ここにも円柱のレリーフが。手が混んでます。
正面のライオンが見えています。
表慶館の案内がどこにも無いなと思っていたら、こんなところに。
でも消えかかっていてよく見えません。
ぜひ新しいものに作り替えるか、文字をなぞってせめて読めるようにしていただきたいです!
建物の名前の石碑もここだと誰も見てくれないかも。
とにかく素晴らしい建物でした。
まとめ
上野の東京国立博物館で開催中の「体感!日本の伝統芸能」に行ってきました。
展示の様子はまたご報告しますが、とにかくその会場の表慶館の素晴らしさに魅了されてしまいました。
片山東熊との立て続けの出会いにご縁すら感じてしまいます。