調度品210点!ダテハクの有職(ゆうそく)雛人形がすごい!
人形17体に、210点にも及ぶ調度品!
宇和島伊達博物館の1階の展示室で見た、宇和島伊達家のお宝はどれも素晴らしいものばかりでした。
その話はこちら:伊達家のお宝の数々!「香り高く」美しい!
そして2階では「ひな人形・ひな調度品」展が開催されていました。
毎年、2月の中旬から4月ごろまで、宇和島伊達家ゆかりの雛人形や調度品、そして館蔵品の有職(ゆうそく)雛を展示するのが恒例になっているようです。
この時期、雛人形の展示を見る機会が多いですが、ここ立博物館所有の有職雛はいままで見たどのひな人形より豪華なものでした。
宇和島伊達家博物館はこちら:https://www.city.uwajima.ehime.jp/site/datehaku-top/
有職雛とは
有職雛とは、かつての公家のしきたりや装束を忠実に再現したお雛様のことだそうです。
こちら伊達博物館の有職雛は、大正13年(1924)に、京都の老舗人形司・丸平大木人形店により作られたものだそうです。
昭和49年(1974)にこの博物館が開館した時に、それを記念して宇和島市の名誉市民である大宮庫吉氏の夫人から寄贈されたのだとか。
ひな壇の横幅なんと約7.5メートル!
17体の人形に、調度品は210点にも及ぶとか。
うちの2体のお雛様ですら飾るのも保管するのも大変なのに、何という規模!びっくりです。
最上段の内裏雛(だいりびな)!
天皇・皇后の姿をかたどって作った男女一対のひな人形を内裏雛と言います。
男雛は束帯、女雛は十二単を着ています。
男雛、女雛の並べ方には諸説あり、伊達博物館では古来からの並べ方に従い、向かって右に男雛、向かって左に女雛を飾るのだそうです。
2段目は三人官女!
「官女」とは、天皇の住む内裏で使える侍女のことです。
今でいうワーキングウーマン。
両脇の2人は振袖の立ち姿、中央は座り姿に留袖の衣装!知りませんでした。
化粧の仕方も違うそうです。
中央の女性だけは眉がありません。
昔の女性は結婚すると眉を抜いて、お歯黒をする習慣があったので、この真ん中の女性だけが結婚しているということですね。
官女の脇にいるのが稚児!
官女の両脇にいるのは稚児です。
詳しいことはわからないのだそうですが、内裏に仕える子供と考えられているそうです。
よく見ると口の形があ・うんになっています。
3段目は五人囃子!
五人囃子の「囃子」とは、能や歌舞伎などの伝統芸能のことだそうです。
演技のリズムをとり、気分を出すための音を奏でることをいうのだとか。
ここにいる5人は、子供たち。
向かって右から扇子を持った謡(うたい)、笛吹き、小鼓打ち、大鼓打ち、太鼓叩きの順に並んでいます。
音がだんだん大きくなる順番なのだそう。
4段目は左大臣、右大臣!
左大臣と右大臣のことを随身(ずいじん)というのだそう。
随身とは天皇を守るボディガードなのだとか。
そのために武器である弓矢を持っています。
そのトップ2が左大臣と右大臣で、黒い衣装の老人が左大臣、赤い衣装の若者が右大臣だそうです。
左大臣、右大臣に挟まれているのは三人上戸!
彼らは仕丁と言って、宮中でさまざまな雑用をする従者だそうです。
三人ともお酒を飲んで酔っ払っています。
向かって右から笑い上戸、怒り上戸、泣き上戸の順に並んでいます。
左大臣、右大臣に囲まれてこれだけ酔えるのもすごい。
宇和島伊達家のお人形とひな調度
人形のために布を染色!三つ折人形
さすが伊達家のお人形には、衣装や持ち物にも贅が尽くされています。
着物に使う布は人形のために染色されたのだとか!
こちらの三つ折人形は足の付け根、膝、足首の三か所が折り曲げられ、座れるように工夫されているのだそうです。
全長は50センチを超えるのだとか。
こちらの男の子の人形の羽織には伊達家の家紋の竹に雀紋が入っています。
どちらも明治19年(1886)、9代宗徳の次女の富子が北白川宮能久親王(きたしらかわのみやよしひさしんのう)との婚礼の時に持参したのだそうです。
ミニチュアなのに豪華!銀製小雛道具
この銀製の調度品は、宇和島伊達家10代宗陳夫人の孝子さまが所有していたもの。
調度品のほか、右端の犬とウサギは水晶で作られているそうです。
もともとは14代将軍徳川家茂の所有品だったものを、孝子の父、紀州藩14代藩主になった徳川茂承が拝領し、後に孝子に譲られたのだとか。
享保雛(きょうほうびな)は7代藩主夫人の嫁入り道具!
こちらの高貴なお顔をされたお雛様は、宇和島藩7代藩主の伊達宗紀(むねただ)夫人・観姫(みよひめ)のお雛様だそうです。
今から200年前、文化12年(1815)に佐賀藩・鍋島家から嫁いできたのだそう。
切れ長の目に、面長な顔立ちが特徴の享保雛です。
女雛の帽子?が珍しい。
仙台伊達家ゆかりの調度品も!
全体に梨子地(なしじ)という技法で蒔絵が施された贅沢な調度品です。
銀で仙台伊達家の家紋の一つを描いたり、金と銀なども使われています。
作りはミニチュアですが、細かい細工などは実用品と同じ作りになっているのだとか。
さすが大名家のお品!美しい!
まとめ
宇和島の伊達家博物館は常設展も素晴らしかったですが、2階で開催されていたお雛様の企画展も素晴らしかったです。
本物感あふれるお宝の数々、お嫁入り道具の品々にも贅が尽くされ精巧で美しい!
大名家の力を見せつけられた展示でした。