念願の国立工芸館に行ってきました!…が時間切れ💦
きっかけは民藝100年展でもらったフライヤー
念願の国立工芸館に行ってきました。
ずっと行ってみたいと思っていましたが、なかなか金沢に行く機会もなく、
「いつか行きたい」ファイルに綴じてあったこのフライヤー。
東京の国立近代美術館の民藝100年展に行った時にもらったものです。
民藝100年展はこちら:「民藝の100年」芹沢銈介の民藝地図にひとめぼれ
今回、仕切り直しのカニ旅を計画していて、チャンス到来!
そうだ、帰りの乗り継ぎ時間に行ってみよう、と思ったのです。
金沢での乗り継ぎ時間は約3時間。
3時間あれば美術館見学はできそうです。
…目指したのですが、最初に告白します。
通りかかった金沢城に寄ってしまったので、時間が足りませんでした。
次回はちゃんともっと時間を作って行くことを前提に、その時のための予行演習のつもりで記録します。
国立工芸館とは
国立工芸館は、東京国立近代美術館の分館として1977年(昭和52年)に東京の皇居のほとり・北の丸公園に開館しました。
日本を中心とする近現代の工芸やデザイン作品を専門とし、日本で唯一の工芸を専門とする国立美術館です。
陶磁、ガラス、漆工、木工、竹工、染織、金工、人形、そしてデザインなど、全国各地から集められた明治以降の秀作を収集・保管。
40年以上に渡り東京国立近代美術館の分館として、国民に工芸文化の素晴らしさを紹介してきました。
その北の丸公園にあった国立工芸館が2020年(令和2年)、ここ石川県金沢氏に移転、開館しました。
日本海側初の国立美術館になります。
移転は地方創生施策の一環として政府関係機関が地方への移転を検討する中、石川県が誘致したいと提案して実現したものです。
当初の予定では2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会前の7月にオープンを予定していたようですが、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により開館が延期、10月の開館となったそうです。
移転した建物は、旧陸軍第九師団司令部庁舎、および旧陸軍金沢偕行社を、工芸館移転のために県と市が整備、移築、復元しました。
明治期に建てられ、1997年(平成9年)に国の文化財となった建物です。
素晴らしい立地
国立工芸館は、日本三名園の1つ・兼六園や加賀百万石の金沢城の近く、
石川県立美術館やプールで有名な金沢21世紀美術館、
金沢21世紀美術館はこちら:https://www.kanazawa21.jp
そして石川県立歴史博物館、愛称いしかわ赤れんがミュージアムとも隣接、
石川県立歴史博物館はこちら:https://ishikawa-rekihaku.jp/about/shimai.html
また伝統産業工芸館であるいしかわ生活工芸ミュージアムにも近い、
まさに工芸の街の真ん中に位置するという好立地。
今度行く時はこれらを全て回れるようなスケジュールを組むつもりです。
これにあの近江町市場も入れたら、3日あっても足りなそうです。
地図に見える鈴木大拙館というのも気になります。
道の選択を誤る!も国立工芸館へ!
お城見学にたくさんの時間を使ってしまったので、
国立工芸館ではあまり時間が取れないとはわかっていましたが、
とりあえず建物を見るだけでも行ってみようと、この地図を頼りに先を急ぎました。
お城の堀のある交差点から横断歩道を渡って向こう側へ。
前方に見える神社も時間があれば寄りたかった!
石浦神社という式内社で、古墳時代からあるという金沢最古の神社だそうです。
石浦神社はこちら:https://www.ishiura.jp
神社前の道を登っていくと兼六園に通じています。
右手には21世紀美術館が。
その先の右手には金沢歌劇座という劇場が、
左手には県立図書館があり、まさに文化の中心地といった感じです。
図書館の手前の看板に従ってここを左折。
中村記念美術館という美術館もあるようです。
茶道具と工芸の美術館だそう。
加賀八家・本田屋敷跡のこの看板の辺りで、工芸館の案内が消えました。
まさか…と嫌な予感がしたのですが、どうやらこの階段を登らなければいけないようです。
時間もない中、こんな運動を強いられるとは!
後ろから来た人もいるのでもたもたしているわけにもいかず、頑張って登りました。
登り終えて、天気も良くて暑いことと言ったら!
この階段ルートではなくて、先ほどの神社の前の坂道を登るルートもあったのを帰る時に知りました。
次回は坂道ルートにしたいと思います。
階段の上は大きな広場になっていて、
向こうに見えるのが赤れんがミュージアム、
振り返って見えたのが国立工芸館でした。
とても素敵な建物です。
時間もかなり迫っていて、居ても15分くらいしか滞在できそうにありませんでしたが、
せっかくここまで来たので入館することにしました。
現在の企画展はフライヤーで見た「めぐるアール・ヌーヴォー展」
アール・ヌーヴォーはフランス語で新しい芸術を意味します。
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで広く流行しました。
その誕生に影響を与えたのはなんと、日本の美術だったのです!
そして今回の展示はヨーロッパのアール・ヌーヴォーと、その源泉としての日本美術に着目。
東京近代美術館のコレクションに、京都国立近代美術館所蔵の作品も加えて、
さまざまな視点からアール・ヌーヴォーを考えています。
…という見どころ満点な企画展だったのに、お城に浮気してしっかり見られないという💦
しかも!なんと撮影が可能という好条件…。
必ずリベンジしたいと思いました!
展示室は3つに分かれています。
展示室1:日本のインパクトとアール・ヌーヴォーの誕生
19世紀後半、開国後の日本を訪れた外国人や、日本からの美術品などに寄って、次第に日本の姿が西洋の人々の目に止まるようになります。
新しい知識を渇望していた彼らの好奇心を掻き立て、ジャポニズムという影響を与えていきます。
展示室1ではアール・ヌーヴォーの代表的作品と、同時代の日本工芸家やデザイナーの作品を紹介しています。
展示室2:アール・ヌーヴォーの先へ、図案家たちが目指したもの
1900年前後の日本の画家や図案家たちも、雑誌を通じて、あるいは実際にパリで、アール・ヌーヴォーと出会っていきます。
展示室2では、杉浦非水と浅井忠、神坂雪花らに注目。
彼らがアール・ヌーヴォーに何を見出し、何を取り入れ、何を求めていたかを探っています。
展示室3:季節がめぐる工芸、自然が律動するデザイン
ジャポニズムの立役者の1人:ジークフリート・ビングは
「自然という名の信頼すべき案内者こそ、彼ら(日本人)が尊敬する唯一の師であり、
その教訓こそ、汲めども尽きぬ霊感の泉なのだ」
と日本美術の美点を賞賛したそうです。
アール・ヌーヴォーに限らない、日本の装飾芸術の誇るべき特質・季節の中で自然に寄り添う姿勢を紹介しています。
…というところで時間切れ!
ミュージアム・ショップも泣く泣く素通りです。
ここからバス停まで走り、バスに乗り金沢駅を目指し、予定の新幹線に乗ることが出来ました。
まとめ
金沢の街が魅力的過ぎて、お城に寄ってしまい、本来の目的である国立工芸館は本当に下見程度の訪問になってしまいました。
でもこの下見ができたおかげで、次の金沢訪問には最低3日は必要だということがわかりました、と前向きに考えたいと思います。
いやー、金沢、面白い!