建ち並ぶ巨大な灯籠!飛び出るひさし!和歌山県立近代美術館へ!
和歌山県立近代美術館に行ってきました!
和歌山市街歩きのツアーガイド智子さんと和歌山城や
その話はこちら:3つの時代・それぞれの石垣が一度に見れる!和歌山城!
有吉佐和子記念館を楽しんだ1日。
翌日は和歌山県立近代美術館に行ってきました。
今回宿泊したお城のそばのホテル・スマイルホテルから、歩いて10分もかからずに行くことができます。
この日も快晴!
ホテルのエレベーターホールから綺麗にお城が見えました。
ホテル前の道路を進んでいくとお城の追廻門(おいまわしもん)の前を通ります。
こちらはお城の西門にあたり、通称・赤門と呼ばれているそうです。
まだまだ空気は冷たいですが、そんな中、梅の花が春の訪れを告げていました。
さらに進んで交差点の向こう側に近代美術館はあります。
吉宗公の騎馬姿がかっこいい!
交差点には8代将軍・吉宗公の立派な像が飾られています。
馬も吉宗公も躍動感があってかっこいい!
この像は、享保年間に吉宗が西洋から馬を輸入した史実をもとに、
その西洋馬と人物像の情熱と強い意志を表現したのだそう。
年齢は40歳くらいに想定して、吉宗の革新的アイデアと積極的行動を訴えています。
台座は、広い視野で物事を考えた将軍に因んで地球を表現。
なんともスケールの大きいブロンズ像です。
吉宗のことをもっと知りたくなりました。
あまりにかっこいい吉宗の騎馬像だったので、あらゆる方向から写真を撮ってしまいました。
和歌山県立近代美術館のスケール感がすごい!
こちらは近代美術館です。
コンクリート打ちっぱなしのスケールの大きい建物で、
飛び出たひさしが特徴的な近代的な建築物です。
近代美術館の隣には和歌山県立博物館が併設されています。
和歌山県立博物館はこちら:https://hakubutu.wakayama.jp
左側の博物館との間には、これまた巨大な灯籠が建ち並んでいて、
スケールの大きさに拍車をかけています。
右手のエレベーター入り口から美術館に入ってみました。
エレベーターを1階で降りると美術館のエントランスホールになっています。
こちらからだとまずミュージアムショップを通って、受付へと行くことになります。
手前にロッカーがあるので、引きずっていたスーツケースをまず預けました。
全体が白と透き通ったガラスで構成されていて、建物内部もとても近代的です。
吹き抜けのホールの中央には透明感のあるエレベーターで2階の展示室に行くことができます。
1階の常設展の入り口です。
2階へは大きな階段でも行くことができ、
この階段がとてもおしゃれな雰囲気で気分が盛り上がります。
こちらはバリー・フラナガンというアーティストの作品。
ねじまがった釣鐘の上を跳ぶ野兎、という名のブロンズ像です。
その奥に、現在の企画展「とびたつとき」の展示室がありました。
和歌山県立近代美術館について
和歌山県立近代美術館の前身は昭和38年(1963)に開館した和歌山県立美術館。
当時、和歌山城内にあったそうです。
その後昭和45年(1970)に和歌山県民文化会館の1階に近代美術館として開館しました。
現在のこの場所に移転したのは平成6年(1996)だそうです。
先ほど見た建物正面の巨大な灯籠や、特徴的なひさしなど、近代的な中にも日本の伝統を感じされる作りになっています。
和歌山県立近代美術館はこちら:https://www.momaw.jp
4月9日まで池田満寿夫の展覧会が開催中!
この日の和歌山県立近代美術館では、「とびたつときー池田満寿夫とデモクラートの作家」という展示会が4月9日まで開催中でした。
「とびたつときー池田満寿夫とデモクラートの作家」について
池田満寿夫は1934(昭和9)年旧満州国奉天生まれのアーティストです。
この展覧会は、彼の版画作品がどれほどまでに世界で評価され、
また彼が芸術家としての道をどれだけ情熱的に歩んだか、
彼が1997(平成9)年に亡くなって四半世紀たった今、あらためて問いかけようというものです。
当時世界を席巻した日本の版画。
この展覧会では、1950年代から1966年頃までの池田満寿夫の作品とともに、池田が影響を受け、交遊のあった作家の作品を紹介しています。
「エーゲ海に捧ぐ」では芥川賞を受賞したり、テレビにもよく出ていたので知ってはいますが、
こうして彼の、そして彼と関わりのあったアーティストの作品をじっくり見るのは初めてです。
池田満寿夫について
1934(昭和9)年に旧満州国奉天で生まれ、終戦の年に父母と共に長野に引き揚げました。
高校を卒業後、画家を志して上京し、東京藝術大学を3回受験するも失敗。
その頃、1955年に靉嘔 (あいおう)に出会い、彼を通じて瑛九 (えいきゅう)や美術評論家の久保貞次郎とも知り合いました。
瑛九は1951年に大阪で「デモクラート美術家協会」を結成していました。
「既成画壇に出品しないこと」 がこの会の唯一の参加条件。
自由を求める作家たちが集まり、大阪と東京に拠点を広げて活動を展開していきます。
彼らは版画の制作に力を入れ、瑛九から版画をすすめられた池田もデモクラートの最若手のひとりとして参加しました。
関西を拠点にする泉茂や吉原英雄、東京の靉嘔や加藤正らと交流を続け、久保の応援もあって銅版画の制作に打ち込んでいきました。
1957年には日本で初の国際現代美術展として東第1回京国際版画ビエンナーレ展が開催されます。
デモクラートの画家たちも積極的に出品し、泉は新人奨励賞に輝きました。
しかしデモクラートから入賞・入選者が生まれたことで、 瑛九はデモクラートの解散を決めます。
その後、池田をはじめ若い画家たちは版画の可能性に目ざめて制作を続け、
なかでも池田の作品はヴェネチア・ビエンナーレでの国際大賞などたび重なる受賞と世界各国での個展開催へと飛躍をみせ、 脚光を浴びていきます。
あの広島現代美術館から多くの作品が出展中!
今回の池田満寿夫氏の作品展示で広島現代美術館からの出展が多いのに驚きました。
広島現代美術館は現在改装休館中ですが、10月に広島を訪れたとき、
広島県立美術館でケンビとゲンビのコラボ展示をしていて、
広島のアートの奥深さと幅の広さに驚いたのは記憶に新しく、
その話はこちら:広島県立美術館で2つのラッキー!ケンビとゲンビが面白い!
ここでまたつながったと思うと嬉しさとともになんだか不思議な気持ちになりました。
改装休館が終わったら絶対また広島に行こうと思った気持ちを思い出します。
そしてそのリニューアルオープンは3月18日!
もうすぐですね!
思い出させてくれてありがとう!
広島市現代美術館はこちら:https://www.hiroshima-moca.jp/renewal2023/
まとめ
県立美術館に行くのが好きです。
その県の一丁目一番地的な立地だったり、県の芸術への力の入れ方がわかるコレクションだったり、
魅力的な美術館が多いのが特徴です。
そして今回の和歌山県立近代美術館もとても素敵な美術館でした。
今回池田満寿夫氏の作品の多くが広島市現代美術館から出展されています。
広島といえばアートへの力の入れように驚いた場所。
広島市現代美術館のリニューアルオープンも間近なことを思い出させてくれました。