新潟良いとこ何度もおいで♫ インフラツーリズム編3「笠堀ダム」
周辺はニホンカモシカの保護区、笠堀ダムに行ってきました!
前回はお隣の大谷ダムを視察してきました。
その様子はこちら:新潟良いとこ何度もおいで♫ インフラツーリズム編2「大谷ダム」
今回はそのお隣、笠堀ダムを視察して来ました。
笠堀ダムは洪水調節、発電、灌漑用水などを行う多目的ダムです。
ダム周辺は特別天然記念物のニホンカモシカの保護区となっています。
この一帯は奥早出栗守門(おくはやであわすもん)県立自然公園になっていて
美しい自然を楽しむことができます。
笠堀ダムは大谷ダムと連携して治水にあたっています
笠堀ダムは燕三条から五十嵐川沿いに下田(しただ)方面に進み、
車で約45分のところにあります。
距離感はこんな感じです。
途中、大谷ダムと笠堀ダムの分岐があり、左方面に進むと笠堀ダムに到着します。
写真では木と重なってよく見えませんが、
真紅のラジアルゲートを2門持った重量式コンクリートダムです。
重量式ダムとは、水圧をダム(コンクリート)の重さで支えるもので、
日本のダムで最も多く用いられているそうです。
形が簡単でさまざまな地形に合わせて造ることができるダムの様式です。
ダムの種類はこちら:https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/hydroelectric/mechanism/dam/
ちなみに大谷ダムは中央遮水壁型ロックフィルダムでした。
大谷ダムはこの笠堀ダムより後に作られたのですが、
大谷ダムに流入する水の一部が導水管でこの笠堀ダムに運ばれるなど、
この2つのダムは連携して治水に当たっているそうです。
ダムの高さは78.5メートル、
総貯水容量1,720万立方メートル(大谷ダムは2,110万立方メートルでした)
有効貯水容量は1,520万立方メートルです。
昭和39年9月生まれ、新潟県で2番目に歴史のあるダム
笠堀ダムは五十嵐川の支流である笠堀川に位置し、
洪水調節、上水道、農業用水、そして水力発電を目的に、
多目的ダムとして昭和39年9月に完成した、
新潟県では三面ダムに次いで2番目に古いダムです。
2011年の新潟・福島豪雨を受け、嵩上げ
2011年(平成23年)7月の新潟・福島豪雨災害による
五十嵐川災害復旧助成事業により
既存のダムの高さを4メートル嵩上げし、
洪水調節容量を870万立方メートルから1,050万立方メートルに増やすことで
洪水調節能力を強化しています。
今回調べていて、この嵩上げ工事で笠堀ダムは数々の受賞をしていることを知りました。
地道な仕事でなかなか人目に触れることはありませんが、
専門家から認められる素晴らしい事業ですね。
受賞例その1
平成23年災五十嵐川災害復旧助成事業で施工した笠堀ダムの嵩上げ「笠堀ダム再開発事業(五十嵐川災害復旧助成事業)」が全建賞授賞事業(河川部門)に選定され、実施機関である三条地域整備部が全建賞を受賞しました。
受賞例その2
ダム工学会では、毎年、ダム事業の発展やダム工学の進歩に著しく貢献した方などへ、ダム工学会賞を授与しています。平成23年災五十嵐川災害復旧助成事業で施工した笠堀ダムの嵩上げ工事が、
(1)極めて短い事業期間において工事を無事故で完了させるための工夫
(2)運用しながら洪水調節施設を更新させるための工夫
などが評価され、ダム工学会「技術賞」を受賞しました。
笠堀ダムの洪水への備え
笠堀ダムには3つのゲートがあって、
このゲートの開く量を調節して
下流に流す水の量を調節しています。
その1 洪水に備える
洪水や大雨による洪水の起きやすい季節には、
事前にダムの水位を下げてダムの洪水調節容量を作っておき、
洪水の水をダムに貯める準備をします。
天候が悪化し、洪水が予想される場合には、
洪水に備えて水位を低下させた状態から更に低下させて、
洪水を貯められる量が最大になる水位まで下げて洪水に備えます。
その2 洪水を溜め込む
大雨が降って洪水になると、ダムへ入ってくる水の一部を貯水池にため、
安全な量だけをダムから下流に流します。
この時下流に流す水の量は、洪水に備えて放流している時よりも増えるので、
河川の下流の水位が急激に上昇すると予想される場合があります。
その際には事前にダムからスピーカー、サイレンなどを鳴らして
川からの避難を呼びかけます。
その3 計画規模を超える洪水への対応
異常な豪雨で、ダム建設時の計画よりも多量な洪水がダム貯水池に流れ込むことがあります。
可能な限り貯水し、下流へ安全放流する操作を行いますが、
ダムで貯水できる量には限界があります。
洪水をこれ以上ためるとダム崩壊の危険がある場合は、
下流に流す量を徐々に増加し、
貯水池に入ってくるのと同じ水量を下流に流し、
ダムが溢れないようにします。
その4 次の洪水に備える
洪水が収まり、ダムに流れ込む水量が少なくなると、
上昇している貯水池の水位量を
次の洪水に備えて下流の河川の状況を見ながら放流します。
こうして水位を定められた洪水調節容量に戻して
次の洪水に備えます。
カモシカの生息地!
笠堀の山々は昔からアオシシと呼ばれるカモシカが生息し、
昭和9年に国の天然記念物に、
昭和30年には特別天然記念物に指定されています。
ダム湖周辺の岩山は断崖絶壁で人を寄せ付けず、
カモシカの生息地に適しているということです。
ダムカード、いただきました!
笠堀ダムの管理所でダムカードいただきました。
大谷ダムの管理所は平日のみオープンですが、
笠堀ダムの管理所は土日祝日を含む毎日オープンしています。
管理所のチャイムを鳴らすと係の方が出てきてくださり、
カードをいただくことができました。
わざわざ呼び出すのも申し訳ない感じですが、
気持ちよく対応してくださいました。
大谷ダムはお休みでもらえなかったことを知ると、
大谷ダムのカードもくださいました。
ありがとうございます!
大切にします!
まとめ
笠堀ダムは新潟県で2番目に歴史のあるダム。
下田からは簡単に行くことができ、
レトロな感じのカモシカの像や、
断崖絶壁の景観、
ダムらしい見下ろすとゾクゾクする感じが
インフラファンには魅力満載のダムでした。
私はまだ試していませんが、
しただの道の駅のレストランではダムカレーのメニューがあり、
道の駅限定オリジナルダムカードがもらえるとか。
こちらも行ったらまたご報告します。