見方がわかると面白い!新発田の清水園で「日本庭園」現地研修!
1月に受けた「日本庭園」のセミナーの実地研修です!
今週はついて行くのに必死な月曜日の英語の授業から始まり、
また新たなことに手を出してしまったビーズ刺繍のレッスン、
その話はこちら:また新しいことに手を出してしまったけど…💦ビーズ刺繍が楽しい!
そしてまだここでは触れていないのですが、
またしても新たなことに手を出してしまったパソコン教室(そのうち書きます)…と
なんだかとてもバタバタであっという間に毎日が過ぎていきます。
そして気がつけば木曜日。
今日は午後から新発田(しばた)の大名庭園・清水園で、
「日本庭園と茶室のみかた」という研修会に参加してきました。
この研修会、実は1月に新潟県通訳案内士協会の主催で開かれた
「日本庭園のみかたと、新潟の庭園の特徴」というセミナーのフォローアップ研修でした。
1月の研修が座学だったので、暖かくなったら実際にお庭を見ながら学びましょう、
という目的で開催されたものです。
私は通訳案内士でもないし、協会の会員でもないのですが、
1月のセミナーは誰でも参加OKだったので参加させていただきました。
そしてその内容がとってもわかりやすく面白かったので、
ぜひ実地でお話を聞いてみたいと思ったのです。
深呼吸したくなる景色!加治川の桜が素晴らしい!
目指すは新発田です。
新発田市は新潟県の北部に位置する蒲原平野にある街で、
新潟市からは車で30分くらいのところにあります。
セミナーは清水園で集合して午後13時半からスタートですが、
新発田の桜もみたいと思い、少し早めの11時過ぎに出発しました。
去年の今頃、2か月だけ新発田に住んだことがあるのですが、
その話はこちら:新発田駅周辺を歩いてみました!
その時に素晴らしいと聞いていた加治川の桜を見に行くことができなかったので、
ぜひ見てみたいと思いました。
こちらが加治川の桜です。
雄大で美しい景色が広がっていました。
思わず深呼吸をしたくなるような景色です。
スケールの大きい素晴らしいところでした。
加治川の桜はこちら:https://niigata-kankou.or.jp/spot/5507
清水園へ! 講師は庭屋一如(ていおくいちにょ)研究会主宰の藤井先生!
加治川の桜に癒されたあと、清水園へ向かいました。
今日も講師は藤井哲郎先生です。
先生は庭屋一如(ていおくいちにょ)という研究会を主宰されていて、
伝統建築と日本庭園鑑賞の愛好者を増やし、
建物と庭園を後世に残すことをライフワークとされている方です。
庭屋一如(ていおくいちにょ)研究会はこちら:https://www.facebook.com/teiokuichinyo
1月のセミナーで初めてお話を聞き、一度で大ファンになってしまいました。
知識もさることながら、ソフトな語り口とわかりやすい解説が素晴らしいです。
今回の研修の舞台、清水園は新発田藩溝口家10万石の下屋敷です。
清水園には以前にも来たことがありました。
その話はこちら:新潟良いとこ何度もおいで♫ 観光編3・新発田(しばた)城
その時はお庭の見方も知らずにいたので、また今回違った目で見るのが楽しみです。
ここ清水園は溝口家の下屋敷・大名庭園として
1660年ごろ、3代の溝口宣直(のぶなお)の時に着工し、
1693年4代重雄(しげかつ)の時に完成したそうです。
30年もかかったのは、同時期に新発田城が火災で焼けてしまい、
そちらの復興を優先したからとか。
お庭は大工と庭師の総合芸術!8つのビューポイント!
日本庭園は、客間からここを見てほしい!という庭師の技量と、
庭をさらに魅力的に見せる家屋を造る大工の技量のまさにコラボレーション。
ここから見てほしい!というビューポイントを8つ教えてもらいました。
-
客間床間前の上座から見える景色
もっとも重要なお客様が座られる客間の上座から見える眺めがもっとも大事。
清水園では書院の客間が位の低い順に
三の間、二の間、一の間、とあってさらにその上に上段の間があります。
この上段の間から見る景色が最高になるように作ってあるのだそう。
清水園の庭園は、
草書体の水の字をかたどったと言われる池を琵琶湖に見立て、
「近江八景」の名所を表しているとのことで、
書院の上段の間からは
大津の堅田にある浮御堂に見立てた夕佳亭、
守護石に見立てた立石、
遠くには御神体に見立てた滝も見えました。
2. 池の前の大きな平岩
池の前にある大きな平たい石は、庭園内での一番大事なビューポイント!
礼拝石、要石など呼び方は色々あるそうです。
実際に水がない枯山水でも同様だそうです。
川や池を表しているものが分かれば、見方は池を見るのと同じです。
その平石から庭園を180度眺めてみると、
庭師の作った一番いい眺めが見られるのだそう。
清水園の池の前の大きな平石は京都の鞍馬石を使っているそうです。
正面から見ると平たく薄く見えますが、
池の向こうの茶室から見ると厚さもしっかりある大きな石でした。
3. 橋の上
池にはいくつかの橋がかかっています。
橋の上も重要なビューポイント。
4. 額縁効果のある場所
客間の書院窓など、窓は見せたい景色を強調して見せる効果があります。
窓に限ったものではなく、門にも額縁効果が。
そして向こうの門を小さく造ることで遠近法によるスケール感が出てきます。
5. あずまや
清水園にはあずまやではなく茶室、もしくは茶屋が5つもあります。
それぞれに趣向を凝らした茶室でした。
この夕佳亭の雨戸を止めるストッパーに、湾曲した木が使われていたりして素敵でした。
6. 滝の正面
滝は設計的なデザインとしても重要ですが、それを造る技量も庭師の腕の見せ所なのだそう。
7. 高く開けた場所
清水園のような高低差のないお庭では、
わざとお庭に目が行かないように植木などで視界を閉ざし、
一気にお庭を見せるなどの工夫がされているそうです。
この前のブラタモリでも浜離宮でそんな話をしていましたね。
8. 飛び石が行き止まりになった平石
物見石ともいうそうです。
飛び石が一個飛び出ていたり、色が違ったりしていたら、
そこで立ち止まって見て!と言っているのだそう。
こんな極意を聞くと、たくさんの庭を巡って確かめて見たくなります。
まとめ
1月に参加した「日本庭園」の見方のセミナー。
その実地研修として新発田の清水園に行ってきました。
庭屋一如研究会主宰の藤井先生のお話はとても聞きやすくてわかりやすい!
座学で教えていただいたお庭を見る上でのポイントを実際のお庭で確認しました。
今までぼーっとお庭を見ていたのが悔やまれます。
これから旅行をする上でもとってもいい勉強になりました!