おひとり様生活のためのリノベーション物語
いよいよ新潟をベースとした生活が始まります
昨日、東京のアパートの引き渡しを終えて新潟に戻ってきました。
その前日に部屋の荷物の運び出しを終え、東京から送った引っ越し荷物は明日着きます。
それが片付いたら、いよいよ新潟をベースとした生活が始まります。
思えばこの日のためにこの部屋をリノベーションしたようなものです。
今日はそんなリノベーションのお話を少し。
定年後の住みかを新潟に決めたきっかけ
生まれも育ちも東京で、その後転勤で神戸に住んでいた私が、そもそも定年後の住処を新潟にしようと決めたきっかけは、母が亡くなって父の遠距離介護で月に1度新潟を訪れるようになったからです。
父は要介護2で訪問介護やヘルパーさん制度を駆使して独居生活をしていました。
その父に、月に1度、1週間会社の在宅勤務制度を利用して会いに来ていた時のことです。
その頃すでに毎日10,000歩のウォーキングが日課だった私は、仕事を終え夕飯の支度までの時間や、週末に信濃川沿いを歩いていました。
信濃川沿いは「やすらぎ堤」として綺麗に散歩道が整備されていてとても気持ちのいい場所です。
春には桜やチューリップが咲き誇り、夏にはアウトドアテントでのレストランが開店し、何よりとうとうと流れる信濃川がとてものんびりした気分にさせてくれる、まさに安らげる場所なのです。
そんな「やすらぎ堤」を歩きながら、こんな景色を見ながら暮らせたらいいなぁ、と思い始めました。
そう思ってみると、川岸にはいくつかマンションが建っています。
こんな川岸のマンションに住めたらいいなあと思うようになりました。
とりあえずマンション情報のサイトに登録してみる
当時住んでいた神戸のマンションはローンが残っていましたし、定年もまだ5年以上先なので、今すぐに購入するわけではありませんが、興味を持つともっと知りたくなるのが私の性格。
相場を知っておくだけでもいずれ役立つと思い、ウォーキングしながら地図のサイトでマンションの名前を調べ、家に帰ってからそれぞれの購入価格がどの位なのか調べてリストにして行きました。
そうするうちに、退職したら神戸のマンションを売却し、自分用の住処として信濃川沿いに住みたい、という漠然とした将来の計画ができていきました。
ただもうローンなどは抱えたくないので、新しい高級マンションは難しいだろうなと思っていました。
そんな中で1件、見た目よくある昭和の団地風のマンションがありました。
おそらく川沿いのマンションブームの走り?だったのかもしれません。
調べてみると価格も手頃です。
こういう古いマンションを購入して、リノベーションするのもありだと思いました。
というのも、神戸の知人が古いマンションをとても素敵にリノベーションしているお宅に遊びに行ったことがあり、そのことを思い出したからです。
サイトでいろいろ見ているうちに、SUUMOに登録しておくと、希望する地域や条件での空き情報をお知らせしてくれるサービスがあることを知りました。
希望するマンションに空きが出るには結構時間がかかるでしょうし、空きが出ないこともあると思いましたが、とりあえずこのサイトに登録してみることにしました。
何というタイミング… かとは思いましたが
それから1年くらい後に父が亡くなり、登録していたことも忘れていたほどバタバタしていました。
大晦日に亡くなった父の葬儀を1月2日に済ませ、
大雪だった新潟から遺骨を東京に運び、
東京のお寺で納骨と49日を済ませ、
ちょっと一段落した早春の頃、SUUMOから空き情報のお知らせが届いたのです。
父が亡くなってすぐ、自分のマンションのことで行動するのも気が引けます。
何というタイミング…かとは思いましたが、物件探しはタイミングが大事だと思い連絡してみることにしました。
こうして思った以上に定年後の住まいの準備が始まっていきます。
このマンションにした決め手
空き情報がきたSUUMOのサイトから「メールで問い合わせ」してみました。
すると速攻で担当不動産会社から電話がかかってきました。
あまりの速さにびっくりしましたが、こちらも早速予約をして、内見させてもらうことにしました。
現地1階で待ち合わせて、部屋を見せてもらいました。
希望の最上階です。
中に入ると、確かに天井の高さは古さを感じますが、玄関やアプローチの廊下が広いのが気に入りました。
リビングと廊下の間のドアがガラス窓になっていて、正面の信濃川方面がとても明るく見えます。
やはり気になるのは景色です。
真っ先にベランダからの景色をチェック。
信濃川ややすらぎ堤が我が家の庭のように見える眺望にテンションも上がります。
この景色を見ながら暮らせたら…。
リノベーションも合わせたもう少し詳しい見積もりをもらうことにしました。
リノベーションの見積もりを出してもらうため、実際どのような間取りにしたいのか考えていきます。
このリノベーションを担当してくれた工務店さんがとてもよくて、「ああしたい、こうしたい」と言う私のアイデアに色々応えてくださいました。
変えるとなると、あそこも、ここも、とどうしてもあちこち変えたくなるものです。
その結果、最初の見積もりはだいぶ予算オーバーしてしまいました。
そこで使えるものは全部今のものを使うことにしました。
例えば廊下とリビングの間のドアです。
もともとの物に色を塗ってもらい再利用することにしました。
いざリノベーション どう住みたいのか 生きたいのかを考える
洋裁三昧の部屋にしたい
この時点では玄関入って右に1部屋、廊下の向こうの部屋の中心に壁があって、左が台所とダイニング、右が和室2部屋、と細かく区切られた間取りになっていました。
住むのは私1人なので、玄関横の部屋を寝室にして、廊下の向こう側は全部壁を取り払って1室にしようと思いました。
和室だった一部屋分に畳を敷き、その他は畳と段差のないフローリングに。
引退後の楽しみは洋裁三昧なので、右の壁に沿ってミシン台にして、その上は棚にします。
信濃川を眺めて暮らしたい
ここに住むからにはこの景色を存分に楽しみたいと思いました。
かと言って、バルコニーのドアを大きくしたり、取り替えたりすることは出来ません。
バルコニーのドアを開けて信濃川が眺められるよう、キッチンに川の方を向いたカウンターを作りたいと思いました。
和室の押し入れは寝室側から入れるクローゼットに
和室が2部屋並んでいたのを全部フラットにするので、こちら側には押し入れはもう必要なくなります。
押し入れの障子のところは壁にしてしまって、そのスペースを反対側の寝室から入れるクローゼットにすることにしました。
そして壁にしたところには折り畳みできる生地の裁断用の台をつけてもらうことにしました。
資金は父が住んでいたマンションを売却
資金は父が住んでいたマンションを売却し、そこから当てようと思いました。
実は父、というか両親が住んでいたマンションは、私の娘が生まれる前に、私がローンを組んで買ったものでした。
当時、父が何回めかの倒産をして住むところが無くなったのです。
親戚が持っていた中古マンションを買う、賃貸を探す、などいろいろ紆余曲折を経て、当時子供ができなくてもう子供は持たずにずっと仕事をしていくのだろうなと思っていた私が購入することにしたのです。
パートナーが亡くなり神戸での生活が始まった時にはこのローンが重くのしかかることになるのですが、その話はまた機会があればいずれ。
新居に持っていくものは仏壇と母の鏡
この父の住んでいたマンションからこちらに移したいものが2つありました。
仏壇
そして母の大きな(しかも超重たい)鏡です。
どちらも後から置くとなると置き場所に困りそうだったからです。
だったら最初から組み込んでもらった方がいいと思いました。
ちょうど畳にしたところに鏡を入れてもらったおかげで、今でも着付けの時にとても役立っています。
最初鏡を入れていただいた位置がちょっと低かったので、その後仕切りを足していただき、鏡の位置を上げてもらいました。
本当に小回りのきく工務店さんでよくしていただきました。
2018年8月直前にリノベーション完成!
2018年の夏の民謡流しまでに完成してもらうことでリノベーションがスタート。
7月いっぱいでリノベーションが完成しました。
最初は何もなかったこの部屋ですが、
その後父のマンションを整理し食器やミシン、母が遺した着物が運ばれ、
佐渡おけさ踊り隊用のおけさ笠が増え、
クラウドファンディングで調達した浴衣が入り、
その後神戸のマンションから大きなテレビや洋裁用のボディが来たり、
あちこちから荷物が集まってきました。
そして今回東京のアパートを引き払ったことで最後の荷物が明日届きます。
全部揃ったら、そこから断捨離してスッキリ暮らしていけたらと思っています。