日本列島誕生のヒミツを学ぶ!フォッサマグナ・ミュージアム
ブルワリーレストラン併設の道の駅うなづき
立山博物館、ほたるいかミュージアムとそれぞれ個性的なミュージアムを堪能した後、
その話はこちら:立山は長く信仰の山だった!立山博物館に学ぶ
もう一つ道の駅に寄り道してみました。
道の駅うなづきです。
前日に購入した道の駅スタンプラリー本によるとこの道の駅には「宇奈月ビール」のブルワリーレストランがあるとか。
ちょっと覗いていくことにします。
今回は車の旅なのでビールを飲むことはできませんが、この「宇奈月ビール」、創業1997年というから地ビールの中でも老舗。
ちなみに日本の地ビール第一号は新潟の越後ビールです。
モルト100%の宇奈月ビールは国内有数の名水で知られる黒部川の水で作られているのだそうです。
こちらが道の駅直売所で、色々はお土産品が販売されています。
その向かいにあるのが「宇奈月麦酒館」…ですがこの日は休館日でした。残念!
ですが、スタンプラリー本についているお得クーポンで「宇奈月ビール3缶セット」が100円引きになるとのことで、娘へのお土産に購入しました。
デザインもかわいいですね。
道の駅うなづきはこちら:https://www.unazuki-beer.jp/baiten/
1月のリベンジでフォッサマグナ・ミュージアムへ
寄り道続きで道の駅うなづきを出る頃には14時を回っていましたが、
この日の宿泊地・上越市に行く前に1ヶ所どうしても寄ってみたいところがありました。
1月のアンコウ旅の時に寄ろうと思ったら、なんと設備更新のため臨時閉館していたフォッサマグナ・ミュージアムです。
フォッサマグナという言葉は小学生の頃から馴染みはありますが、じゃあ説明できるかといわれたら何も出てきません。
基本的なことくらい知っておきたいと思って機会があったら行きたいと思っていました。
こちらが駐車場から見たミュージアム。
こちらが正面です。ガラス張りの透明感のある想像以上に素敵な建物!
その前にある立派な翡翠の石が使われた噴水も素敵です。
こちらが受付で一般500円、高校生以下は無料です。
受付の右手にはジオパークの情報コーナーがあり、
受付の左手に進むとミュージアム展示室へと繋がる廊下があります。
廊下には石で作られた顔のアートのポスターが並んでいます。
ここが展示室の入り口で、
ヒスイや化石など石の情報満載の第1、第2展示室、
フォッサマグナの発見者ナウマン博士の紹介や、日本列島誕生の秘密のシアターがある第3展示室、
地震や火山噴火など日本列島の形成を紹介する第4展示室、
化石を集めた第5展示室、日本や世界の鉱物を展示する第6展示室という構成になっています。
フォッサマグナとは!
第3展示室のシアターが秀逸で、これを見るとフォッサマグナのことがよく理解できました。
フォッサマグナはラテン語で「大きな溝」という意味の、日本列島が誕生した時の大地の裂け目です。
その昔、日本列島はまだアジア大陸の一部でした。
その後、アジア大陸から引き裂かれ、東西の二つの島に分かれます。
2つの島の間は海でした。
この海の地底では活発に火山活動が行われていて、水中で大量の土石流が溜まっていきます。
この海底がプレートの地殻変動で隆起して陸地となり、2つの島をつなげ、日本列島が誕生します。
その隆起して日本列島を繋いだ溝の部分がフォッサマグナです。
焼山や富士山など南北に走る火山列はこの隆起した溝の上で噴火したものです。
日本列島を地質学的に東北日本と西南日本に分ける糸魚川―静岡構造線は、フォッサマグナの西側の境界断層でもあります。
フォッサマグナの発見者はナウマン博士!
日本最初の地形図を作った!
明治維新を迎えて、政治、経済、科学技術の分野で欧米列強に早く追いつきたい日本。
日本政府はさまざまな分野で外国人を国費で招き、色々教えてもらいました。
ナウマン博士もそうして雇われて、地質学を日本に伝えました。
鉄道や軍艦を作るのには鉄や銅などの金属資源、
船や機械の燃料には石炭、石油などのエネルギー資源、
農業、港湾、都市開発のためには土地の地質の情報。
地質学ってありとあらゆる分野に必要な学問なんですね!
ナウマン博士は1854年、ドイツのマイセンに生まれました。
日本には1875年に来日し、10年間日本に滞在しました。
当時の日本は全く交通網が発達しておらず、等高線のある地図もなかったそうです。
その為、自らの足で山や谷を測量して地形図を作りながら地質調査を行ったとか。
ナウマン博士のミュンヘン大学時代の研究は哺乳類化石の研究だったそうです。
その後日本のアンモナイトやナウマンゾウ、火山や地震、そして関東平野の研究など
その幅の広さに驚きます。
南アルプスの眺望がフォッサマグナに気づかせた!
ナウマン博士が最初の地質調査旅行に行ったのは、来日した年の11月。
東京を出発して、高崎から碓氷峠を越え、千曲川をさかのぼって野辺山へ。
さらに甲府盆地から富士川に沿って静岡に出て東京に戻る行程でした。
野辺山にさしかかったところで日が暮れ、右手に見える月光が照らす八ヶ岳は広大でなだらかでした。
その晩は峠を越えたところの宿屋で泊まったそうですが、その翌朝、見た景色が衝撃でした。
そこには3000メートルを超えるような巨大な山々が目の前にそびえたっていました。
八ヶ岳とは対照的な高い壁のような急な斜面。
手前の盆地の落ち込み。
この奇妙な地形を見たことがフォッサマグナの発想へと繋がったのだそうです。
まとめ
1月のリベンジで訪れた糸魚川のフォッサマグナ・ミュージアム。
想像をはるかに越えて楽しめ、第3展示室の日本誕生の秘密のシアターは秀逸です。
石のイメージが強くちょっと苦手だった地質学という学問が、あらゆる分野の基礎につながっているのだということに気づかせてもらい興味が湧いてきました。
定期的にいきたいミュージアムです。