「佐渡おけさ」の衰退を目の当たりにし湧き上がる熱い思い
風前の灯となっている「佐渡おけさ」に思うこと
「佐渡おけさ踊り隊」へのプロローグ2の続きです:「佐渡おけさ踊り隊」へのプロローグ2 絶滅寸前・新潟まつりでの佐渡おけさ
2017年の夏の民謡流しで目の当たりにしたあまりにも閑散とした「佐渡おけさ」会場。
時間が経てば忘れてしまいそうなものですが、神戸に帰ってもその惨状が気になって仕方ありませんでした。
ー 今、目の前で風前の灯となっている「佐渡おけさ」。
ー 風前の灯状態だとはいえ端っこの会場でまだ踊られていることすら知られていない。
ー 「佐渡おけさ」を見たことも聞いたいこともない世代が増えている。
ー それを救おうなんて考えている人は誰もいない…。
ー いたら既に誰かが救いの手を差し伸べているはず。
ー 新潟の人は「佐渡おけさ」のことをどう思っているのだろう。
ー 身近すぎて無くなりつつあることに気が付いていないのかも。
ー 地元のラジオの有名パーソナリティがある日、富山の越中おわら風の盆を褒めまくっているのを偶然聞いた。
ー 佐渡おけさだってそれに勝ると劣らず素晴らしい踊りなのに。
ー せめて同等で語って欲しかったけど、佐渡おけさのことはスルー。
ー 風の盆ツアーは毎年チケットを取るのが大変。バスも宿も満席の大人気なのに、「佐渡おけさ」は見たくても見る場所も機会もない。
ー 見たい人は多いはずなのに。
ー これは民謡流しだけの問題ではないかも。
ー 民謡流しにしろ何にしろ、無くなってしまったら元に戻すのは難しい。
ー 無くなってから悲しむのはもう嫌だと思ったはず。
レインボータワー、三越、いろいろ見てきたはず。
ー 誰もやらないなら私がやる?
何とかしなきゃ…いけないよね…。
「佐渡おけさ」のことを本気でいろいろ調べ始めました。
本場・佐渡で「佐渡おけさ」修行?
まずは「佐渡おけさ」を再びちゃんと習いたい!と思いました。
佐渡でちゃんと教えてくれるところとかないものだろうか。
佐渡なら「佐渡おけさ会館」のようなものがあってもよさそうだけど。
探してみましたがそのような施設はなさそうです。
阿波踊り会館とか風の盆会館とかはあるのに、佐渡おけさはないんだ…。それも意外です。
唯一、佐渡観光協会が観光客向けに「佐渡おけさ体験レッスン」をリクエストベースでやっているのを見つけました。
早速連絡して、催行2名〜のところを2人分払うからと予約させてもらいました。
9月9日の朝、佐渡汽船のフェリーで佐渡へ。青天です。
両津でレンタカーを借りて相川へ向かいました。
相川の待ち合わせ場所で先生と合流。
何と先生は佐渡民謡保存における代表的組織「「立浪会」の方でした。
新潟ウィークを終えて、今回は「佐渡おけさを極める」武者修行、佐渡に寄り道して帰ります。佐渡民謡保存の第一人者「立浪会」の先生に躍りをご指導いただきました(*^^*) やっぱり奥が深いなー。みっちり1時間強、勉強になりました。夢中になりすぎて、というかマンツーマンで撮り手もいなくて写真ありません(笑)
佐渡への航路は晴天で風も気持ちよく(でもカモメは苦手皆かっぱえびせん撒きすぎです笑)、途中寄ったトキ保護センターで初めて生きたニッポニア・ニッポンを観察、尖閣湾から見た夕日は美しく海に沈んで行きました(いつも新潟から見る夕日は佐渡に沈むのです)。
人が変わった?誰彼構わず熱い思いを語る
その年の秋、前勤めていた会社の後輩が東京から神戸に遊びにきました。
一緒にご飯を食べに行ったのですが、新潟や佐渡おけさとはまったく関係のないその人にまで佐渡おけさの素晴らしさとこの夏見た惨状を熱く語り、
何かしないと絶滅してしまう!
AKB48じゃないけど、SDO48とか作ったらどうだろう?
と妄想を語っていました。
いいっすねー、それ、やってください!
突然聞かされる妄想話に嫌な顔もせずずっと付き合ってくれ、応援してくれた彼は
私が「佐渡おけさ踊り隊」のクラウド・ファンディングに挑戦した際、
真っ先に支援をしてくれたサポーター第1号です。
その他にも職場の先輩、東京の高校の同級生など、
会う人、会う人に「佐渡おけさ」を熱く語るという、
以前の私では考えられなかった“パッション”に皆さん驚きながらも応援してくれました。
「あらかわ佐渡おけさ祭り」と出会い、「若波会」さんと出会う
「佐渡おけさ」のことを調べるうちに、Facebookで「あらかわ佐渡おけさ祭り」のことを知りました。
東京都荒川区の西日暮里にある冠新道商店街で9月に行われているお祭りだとのこと。
知りませんでした。
こちらも早速連絡したら、事前の練習会を見にきませんかと誘っていただきました。
聞くところによるとお祭りは3、4年前から始めたものでまだ日は浅いですが、
9月のお祭りのために5月の連休明けから地元の皆さんが集まって練習を重ねているとのこと。
リーダーとしてまとめているのは地元で建設会社を営む青年Nさんでした。
この地域は佐渡出身者が多いとのことで、Nさんの先々代のお爺さまも佐渡のご出身だそうです。
9月22日、お祭りの2日前の最後の練習に参加させていただくことになりました。
大きな体育館のような公民館の一室で沢山の方々が練習に集まっていました。
皆さん、驚くほどとてもお上手です。さすが5月から練習を重ねているだけあります。
そして東京で佐渡民謡の会として活躍されている「若波会」さんがご指導されているということも知りました。
そして2日後、あらかわ佐渡おけさ祭りに飛び入り参加させていただくことになりました。
あらかわ佐渡おけさまつりさんのFBページはこちら:https://www.facebook.com/arakawaokesa/
お祭りの直前に、しかも練習会に間に合うタイミングでこの「あらかわ佐渡おけさ祭り」と出会えたこともまさに奇跡です。
Nさんやこのお祭りや若波会さんとの出会いがまた更なる大きな展開へとつながっていくことになるのです。(つづく)