なめりかわ・ほたるいかミュージアムが面白い!
道の駅スタンプラリーに導かれ「ウェーブパークなめりかわ」へ
山に誘われて寄り道した立山博物館で立山についての認識を新たにした後、
その話はこちら:立山は長く信仰の山だった!立山博物館に学ぶ
30分ほど下道を走って「ウェーブパークなめりかわ」という道の駅に行ってみることにしました。
道の駅を探してしまうのは…、
前日に新潟から富山へ向かう途中に寄った道の駅「親不知ピアパーク」で北陸の道の駅のスタンンプラリー本を購入していたからです。
北陸3県が石川と富山と新潟だったのが珍しくて。
この本によると石川に26駅、富山に16駅、新潟には40駅もあるとのこと。
4月から始まっている1年間のラリーなので、
今からスタートでは到底達成するのは難しいですが、
道の駅情報が1冊にまとまっていると何かと便利。
道の駅好きとしてはすかさず購入してしまいました。300円。
この本によると「ウェーブパークなめりかわ」には「ほたるいかミュージアム」があるのだとか。
面白そう!ということでこの道の駅に寄って見ることにします。
到着!まずは「ほたるいかミュージアム」へ
道の駅「ウェーブパークなめりかわ」に到着しました。
大きなほたるいかのサインが出迎えてくれます。
右手にはタラソピアという水深333メートルの深層水を使用したリラクゼーション施設があって、
様々なジャグジーや歩行浴が富山湾を眺めながら楽しめるのだそう。
近所だったら絶対通いたい!
そして左手にはほたるいかミュージアム、
正面にはショッピングエリアやカフェ、2階はレストランになっています。
早速ミュージアムに行ってみました。
ミュージアムは1階で受付を済ましてから2階に上り、
ほたるいかにまつわるあらゆる情報満載のミュージアムギャラリーからスタート。
ほたるいかミュージアムはこちら:https://hotaruikamuseum.com/museum
滑川の海面は国の天然記念物に指定されている!
大好きなので、普段食卓で見る機会の多いほたるいかですが、実際にほたるいかについては何も知りません。
光ることは知っていても、ほたるいかって一体どんなイカなのか考えたこともありませんでした。
そんな私にとって、このほたるいかミュージアムは目から鱗!
知らないこと、驚きの事実をたくさん教えてくれました。
ここ富山湾沿岸では春になるとほたるいかが産卵のために集まり、青く美しい光を放つのだそうです。
ほたるいかが集まる滑川の海面は国の特別天然記念物に指定されているのだとか。
昔はほたるいかは地元で「まついか」と呼ばれていたそうです。
それが「ほたるいか」と呼ばれるようになったのは、明治38年に東京大学の教授・渡瀬正三郎先生の命名によるもの。
先生は元々蛍の研究をしていたそうで、富山県に光を放つイカがいるのを聞いて研究を始め、蛍のように美しい発光をすることからホタルイカと命名。
ちなみに、ほたるいかの学名は渡瀬博士の名前にちなんで「Watacenia sintillans(ワタセニア・シンティランス)」なのだとか。
ほたるいかが光る3つの理由
ほたるいかは、発光物質(ルシフェリン)に発光酵素(ルシフェラーゼ)が作用して発光します。
と言っても私には馴染みのない言葉ですが、この光は熱をもたないため「冷光」と呼ばれ、物質や酵素の構造は多少違うものの、昆虫のホタルの発光と同じしくみだそうです。
ただその全容は現在でもまだまだ謎が多く、研究が進められているとか。
光で身を守る
ほたるいかはあの小さな体に①腕発光器、②眼発光器、③皮膚発光器の3つの発光器を持っています。
その中の腕発光器は刺激を与えたり驚かせると簡単に発光します。
暗い海中で外敵に襲われたときなど光を発することで相手を驚かせたり、目くらまし効果を狙った行動のひとつといわれています。
光で身を隠す
ほたるいかは海中ではからだを水平にしているので、昼間は上から降ってくる太陽光に反応して腹側にある発光器から光を出し下に向けて発光しています。
これは自分より下にいる敵の目をくらますためだそうです。
何もしないでいると、下の敵からはほたるいかのシルエットが真っ黒に見え、見つかってしまいます。
発光する事で太陽の下でもシルエットがキラキラして見つかりにくくしているのです。
素晴らしい知恵!
でも光が強すぎるとかえって目立ってしまうので、光を上手に調節して敵からわが身を守っているのだとか。
素晴らしい仕組みです。
光で会話する
ほたるいかの眼は青、水色、緑の3種の色を識別できるのだそう。
なので、同じ仲間同士やオスとメスとの間で合図を送ったり、集団で行動したりすることができると考えられているそうです。
どんな会話をしているのか知りたくなります。
ほたるいかが富山湾に集まる理由
ほたるいかの大群の発光が見られるのは、日本でも滑川近くの富山湾に限られているそうです。
日中は沖合200mから400mの深海にいて、産卵や餌の捕獲のため夜間に海面近く、かつ陸からすぐ深くなるすり鉢状の富山湾では陸の近くに上がってきます。
ほたるいかの寿命はほぼ1年。
富山湾の場合、およそ2週間で孵化して成長を続け、翌年の2月ごろに交接シーズンを迎えます。
そして4月から5月ごろに産卵をして、その一生を終えるそうです。
ほたるいかの身投げ
春には産卵のために富山湾の海面近くまでやってきたホタルイカが一斉に海岸に打ち上げられることがあるそうです。
これをほたるいかの“身投げ”というそうです。
深夜の海の砂浜にホタルイカが青白く光る神秘的な光景。
多い時には波打ち際一面に打ち上げられるそうで、この季節にはバケツや網を持って多くの人が集まるとか。
毎年3月1日解禁!サステナブルな富山湾のほたるいか漁
富山湾のほたるいか漁は定置網で行われています。
定置網は魚の群れを待ち受けて捕らえる漁法で、
- 魚群を導く「垣網」
- 漁獲するための「箱網(身網)」
- 群れを箱網へ誘導する「昇り網」
- 昇り網へ導き魚群を逃げにくくする 「袖網」からできています。
ホタルイカ定置網全体の長さは450~500メートル、深さは30~80メートル程度。
現在でも藁網が使用されていて、漁期が終わると藁網は海に沈められ、魚たちの魚礁の役目を果たすのだとか。
また、ホタルイカ定置網は、網の入口が岸に向かって設置されいます。
これは沿岸近くで産卵を終え、深海へ戻ろうとするホタルイカだけを 漁獲していることを意味しています。
兵庫県もほたるいかの漁獲で有名ですが、兵庫県をはじめとする富山県以外のホタルイカ漁はすべて底引網漁で行われているそうです。
底引網漁では、産卵前のホタルイカを大漁に漁獲することになり、またほたるいかの身の傷む確率も高くなるのだとか。
一方、富山湾のホタルイカ定置網は沿岸部に設置されています。
このことでホタルイカをすぐに漁港へ運ぶことができ鮮度のいいほたるいかを食卓に届けることができるのだそう。
産卵期のため十分に成熟して身も大ぶり、といいことづくめの富山湾のほたるいか漁です。
4月〜5月にはほたるいか漁を見ることができるツアーもあるとか。
ほたるいか漁ツアーはこちら:https://hotaruikamuseum.com/tour
面白そう!行ってみたい!すっかりほたるいかに魅せられてしまいました。
ほたるいかを知ってほたるいかピザを食す!
ほたるいかについて色々学んだ後は、2階のレストランに行ってみました。
こちらがほたるいか満載のメニューです。
パスタもフライもしゃぶしゃぶも美味しそうだけど、
迷った末、ほたるいかのピザをいただきました。
ほたるいかの旨味が凝縮されて美味しかったです!ご馳走様でした!
パノラマレストラン光彩はこちら:https://hotaruikamuseum.com/restaurant