やっぱり!新潟と東京の共通点は近代建築の巨匠、前川國男!
いつも感じるデジャブ感!それがわかってやっぱり!スッキリ!
東京都美術館で開催中のエゴン・シーレ展がとてもよかったです。
その話はこちら:エゴン・シーレ!28歳でスペイン風邪にたおれたウィーンの天才!
上野のこの東京都美術館に来るたび、この雰囲気、どこかとすごく似てる!と思っていました。
それが新潟市美術館だと気がついて、やっぱり!ととてもスッキリ!したのですが、
「毒展」の中に書いてしまったことをちょっと後悔しています。
毒展の話はこちら:この世の中は毒だらけ!怖いもの知りたさで「毒」展へ!
後で探しやすいように、ここに別途記録しておこうと思います。
建築家・前川國男とは?
東京都美術館と新潟市美術館の共通点は建築家の前川國男氏です。
新潟市出身の前川國男氏(1905〜1986)は新潟市の生まれ。
1928年に東京帝国大学工学部建築学科を卒業して渡仏します。
フランスでは巨匠ル・コルビュジエのアトリエで学びました。
帰国後、日本を代表する建築物を数多く手がけ、
近代建築史に大きな足跡を残しています。
前川國男氏建築についてはこちらもどうぞ:https://www.tobikan.jp/media/pdf/h25/architecture_midokoroMaekawa.pdf
1975年竣工の東京都美術館
建築家・前川國男氏が設計したのは東京都美術館の新館です。
日本のモダニズム建築の巨匠と知られる前川國男氏は、
公共建築の広場やロビーやレストランをとても重要視していたそうです。
その場を訪れる人が、どれだけ都市的な楽しみを味わえるかを大事にして、
建築を通して都市の空間を生み出していったのだとか。
建物の壁に囲まれた中庭や吹き抜けは通路としてだけでなく、
息抜き、憩い、出会いや立ち話の場として機能させたといいます。
この東京都美術館の新館では、中央に広場を設け、建物をいくつか広場を囲むように配置しています。
エントランスホールを含むメインのフロアは地下1階にあり、
機能ごとに分かれたそれぞれの棟がプロムナードを取り巻いて、
地下1階の広場に集まるように設計されています。
木々が豊かな上野の森の外部空間を邪魔することなく、
しかも公園とのつながりも保ち、
かつ館内の導線もわかりやすくするように意図されています。
東京都美術館はこちら:https://www.tobikan.jp/index.html
1985年旧新潟刑務所跡地の再開発で整備された新潟市美術館
一方、新潟市美術館は、1985年に隣接する西大畑公園と共に、
旧新潟刑務所の跡地を再開発して整備されました。
建物を設計したのは前述の前川國男氏です。
新潟市美術館の外観の大きな特徴となっている外壁は、
前川國男氏が長持ちする建築を目指して独自に開発した「打ち込みタイル工法」によるものだそうです。
コンクリートの壁にモルタルなどでタイルを接着する「後張り工法」とは違い、
コンクリートを打つ際に、型枠の内側にあらかじめタイルを釘止めして、
コンクリートを流し込んで建物と一体成形する工法なのだとか。
こうすることで内部のコンクリートは耐久性のいい窯業素材のタイルにしっかり保護され、
それと同時に彫りの深い外壁の表情が生み出されるといいます。
新潟市美術館の外壁に選ばれたタイルの色はオリーブグリーンです。
桜や新緑、紅葉など四季様々な風景によく馴染み、年月と共にその風合いを増しているのだそうです。
また新潟市美術館も東京都美術館のように中庭を囲む形で建物が建っています。
また美術館前の道路から館内の展示室までは約2メートルの高低差があるスロープになっています。
これは砂丘地である立地条件を考慮してのものだそう。
「建築は、その建つ場所に従え」というのが前川國男設計思想なのだとか。
新潟市美術館はこちら:http://www.ncam.jp
建築家にならなければペンキやさんになりたかった
カラフルな色合いの椅子や、
遠くから見て色違いの壁の色など
カラフルながらも落ち着いた配色も前川國男建築の特徴です。
この雰囲気からこの2美術館の共通点に辿り着きました。
色へのこだわりは相当なもので、
建築家にならなかったらペンキやさんになりたかったのだとか。
まとめ
東京都美術館に来るといつも感じるデジャブ感。
その原因は新潟市美術館にありました。
どちらも巨匠ル・コルビュジエの元で学んだ日本近代建築の巨匠・前川國男氏によるものでした。
新潟市美術館は新潟市出身の前川氏の晩年を代表する建築で、
今でも建築関係者や学生が多く見学に来るのだそうです。
こうなると他にも色々前川建築を見てみたくなります。