石川県立美術館へ! 兼六園周辺文化の森がすごい!
金沢ひとり旅2日目 雨中ぶらり散歩はつづく
あいにくの雨の旅の2日目、ホテルで借りたビニール傘がひっくり返って半崩壊。
傘を買おうと探した、あるはずのコンビニが見つからず、心が折れる寸前で偶然入った金箔博物館で元気をもらいました。
その話はこちら:全国シェア99%!1万分の1ミリの金沢金箔・製造工程がすごい!
受付の方の親切に、やっぱり旅は人だ!の思いを強くしたのでした。
そしてその直後に偶然通りかかった徳田秋聲記念館で、またまた素敵な女性たちに出会うことに。
趣ある個性豊かな女性たちのストーリーにまたまた元気をもらいました。
そこからは前回折り畳み傘を忘れた国立工芸館を目指して歩くことに。
途中でやっとコンビニを見つけて傘を購入しました。
これから折り畳み傘を取りに行くのに買わなくても、とも思いましたが、まだまだ国立工芸館までは距離があるのと、半壊したビニール傘はホテルに借りたもの。
ホテルには新しいものをお返ししようと購入しました。
バスに乗る手もありましたが、新しい傘を買ったからには歩こうと思います。
新しい傘にも元気をもらったようで、楽しく歩けました。
お城や兼六園が近づいてきました。
お城の周りはとても立派な道路で歩き甲斐があります。
県立美術館の近くまでやってきました。
前回寄り道した金沢城を含め、兼六園や国立工芸館があるこのあたりは「兼六園周辺文化の森」と呼ばれています。
兼六園周辺文化の森とは
「兼六園周辺文化の森」は、兼六園を中心とする半径約1kmの範囲の中に、数々の文化施設や公園緑地が整備されています。
藩政期から近代に至るまで各時代の歴史が重層的に集積する石川県を代表する緑豊かな文化空間となっています。
このエリアは常に政治や教育、文化の中心地として発展してきました。
兼六園、金沢城など江戸時代の武家文化と、それ以来受け継がれてきた伝統文化を味わうことができます。
また、石川県立歴史博物館、石川四高記念文化交流館など、明治、大正期のモダンな建物を通して、当時の金沢の歴史と郷愁を堪能することができます。
石川県では、この兼六園周辺文化の森を、「にぎわいと交流」の拠点と位置付けているそうです。
金沢城公園の復元整備。
県立美術館・歴史博物館・県文化財保存修復工房のリニューアル。
各文化施設を回遊できる遊歩道の整備を行ってきたそうです。
各文化施設での展覧会や、施設間で連携した文化イベント「加賀百万石文化めぐり」の開催などを通して、この地にしかない風情と活気を演出しています。
文化の創造と交流、ふれあい空間としてエリア全体の魅力を高めています。
このエリアに集まっている文化施設が素晴らしい
とにかくこのエリアに集まっている文化施設が素晴らしいのです。
前回の3時間滞在は論外ですが、今回の3日でも到底足りないほどの充実ぶりで、その文化の厚みと幅広さにひれ伏すしかありません。
またそれぞれが連携してまとまった存在感を出しているのも素晴らしい。
全体にどんな施設があるのか、それぞれの移動距離などを示しています。
こうすることによって、点と線と面がすべて情報として伝わってきます。
正直、観光客がこのすべてを網羅することは難しいと思いますが、線や面で情報を得ていると、次はここに行ってみたい!というリピート願望に繋がります。
点だけの情報だと行ったところの記憶しか残りません。
地図に記載された施設は以下の16施設です。
兼六園周辺文化の森の施設
- 国立工芸館
- 石川県立美術館・石川県文化財保存修復工房
- 石川県立歴史博物館
- 加賀本多博物館
- 石川県立能楽堂
- 石川四校記念文化交流間
- 金沢城公演、兼六園
- いしかわ生活工芸ミュージアム
- 石川県政記念椎木迎賓館
- 金沢21世紀美術館
- 金沢能楽美術館
- 金沢ふるさと偉人館
- 中村記念美術館
- 鈴木大拙館
- 金沢暮らしの博物館
- 前田土佐守家資料館
もうこれでもか、っていうくらいものすごい文化の厚みと幅広さを感じます。
石川県立美術館へ
石川県立美術館は古美術から現代美術まで、石川県にゆかりのある作家の作品を展示しています。
中でも国宝「色絵雉香炉」は必見です。
また前田育徳会所有の加賀藩前田家に伝わる貴重な文化財などを展示しています。
美術館に隣接して石川県文化財保存修復工房と県立美術館広坂別館があります。
文化財保存修復工房では文化財の修復作業が見学でき、修復工程の映像なども紹介されています。
広坂別館は旧陸軍第九師団長官舎として建てられた歴史的建造物が利用されています。
またしても野々村仁清の作品に出会う!
数多くの展示室のある県立美術館では九谷焼展をはじめ様々な展示が行われていました。
写真を撮れないので残念ですが、中でも必見は国宝の色絵雉香炉と、重文の色絵雌雉香炉の展示です。
富山の百河豚美術館で出会って感銘を受けた野々村仁清の作品にまたここで出会ってしまいました。
その話はこちら:国宝級⁉衝撃の野々村仁清コレクション!百河豚(いっぷく)美術館
国宝・色絵雉香炉
国宝・色絵雉香炉は野々村仁清の作品です。
ほぼ等身大の雉の香炉で、京焼の祖といわれる仁清の彫塑的な作品のうちでも特にすぐれていると言われています。
上下二つに分かれ、蓋に4個の煙出し孔があります。
緑、紺青、赤などの絵具と金彩で、羽毛などを美しく彩った豪華な作品です。
尾を水平に保つなど、政策に至難な技が駆使されていて、緊張感あふれる作品です。
重文・色絵雌雉香炉
重要文化財の色絵雌雉香炉も野々村仁清の作品で、ほぼ等身大の雉の姿をした香炉です。
後を振り返って、その嘴の先は左背の羽毛にかかっています、
尾は約45度の傾斜でピンと張っています。
色絵雉香炉より少し小さめで、雌雄の雉香炉として対で作られたと考えられているそうです。
まとめ
目指していた石川県立美術館へ。
この一帯、兼六園周辺文化の森には地図にあるだけでも16もの文化施設が隣接・点在し、まさに文化の森。
前日に行った金箔博物館や徳田秋聲記念館なども含めると、到底3日間で行くことはできない金沢の文化の奥深さと幅広さを目の当たりにした次第です。
もう住むしかない!というのが本音です。