アート愛あふれる広島県立美術館の配布資料がスゴイ!
「皇室の美と広島―宮内庁三の丸尚蔵館の名品から」展へ
ラッキーなことに、広島県立美術館に来館したその日は、
「ケンビとゲンビの作品を並べたら、美術についての疑問が解ける(かも)」展の初日。
そして9月から開催されている「皇室の美と広島」展の最終日の前日で、
両方の企画展が見られるピンポイントな日でした。
まずは2階で開催の「ケンビとゲンビ…」展へ。
その話はこちら:広島県立美術館で2つのラッキー!ケンビとゲンビが面白い!
この展覧会では現在閉館中の広島市現代美術館の作品も見られるラッキーもあり、とても楽しむことができました。
次は3階で開催中の「皇室の美と広島」展へと向かいます。
この展覧会は、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の名品から、
昭和の大礼を彩った屏風や、さまざまな御慶事で記念品として作られたボンボニエール、
平清盛・重盛親子にまつわる作品や広島藩主浅野家伝来の作品など、
皇室と広島をつなぐ美の世界が垣間見れるものでした。
前期展示にはフライヤーの表紙にもなっている伊藤若冲の作品も展示されていたようです。
三の丸尚蔵館とは
皇室に代々受け継がれた絵画、書、工芸品などの美術品が、平成元年6月に皇室から国に寄贈されました。
これを機に、これらの美術品をより良い環境の施設で保管・管理し、また調査・研究も行うと共に、一般にも展示公開をすることを目的として平成5年11月に皇居東御苑内に開館したのが三の丸尚蔵館です。
現在の正倉院でしょうか。
現在は新施設建設中のため休館していますが、その間により多くの人に皇室と日本文化に親しんでもらおうと、全国各地で三の丸尚蔵館の収蔵品を紹介する展覧会を開催しています。
ボンボニエールがとても可愛らしくて素敵!
この展示会は写真撮影ができなかったので写真はありませんが、
このフライヤーにも一部が掲載されているさまざまなボンボニエールがとても精巧で可愛らしい!
ボンボニエールとはボンボン(お菓子)を入れる小さな入れ物のこと。
皇室ではお祝い事があると引き出物としてボンボニエールを贈るのだそうです。
繊細でセンスがあって、こんなモチーフもボンボニエール⁈というものもあって、見ていて飽きることがありません。
こんなサイトがありました:https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001678.html
アート愛あふれる県立美術館の資料がスゴイ!
広島県立美術館で素晴らしいと思ったのはその配布資料の充実です。
展示作品の資料を配布している美術館は他でもありましたが、ここまで豊富なのは初めて見ました。
素晴らしいその1・美術館の全体像・スケジュールがわかる資料がスゴイ!
これは県立美術館だけの努力ではないかも知れませんが、こちらは広島県の24美術館の半年間の展覧会のスケジュールがまとめられたパンフレットです。
情報をばらばら探さなくてもこれがあれば一目瞭然!広島の人が羨ましい!
こちらはその中から県立美術館、現代美術館、ひろしま美術館の3館の情報がまとまったパンフレット。
これも素晴らしいです。
中には詳細なスケジュールが綺麗な写真付きでまとめられています。
これを見たら絶対行きたくなります!しかも便利。
これがあれば見逃すこともないし、これだけをどこかに貼っておけばいいだけです。
普段1館、1館の展覧会のフライヤーを集めてはいつどこに行こうか考えている私からすれば、本当に羨ましい限りです。
素晴らしいその2・子供向け、でも大人でも楽しめる資料がスゴイ!
こちらは県立美術館のジュニア鑑賞ガイドブックです。
展示作品のことだけではなく、美術館での楽しみ方やルールやマナー、コレクションの収集方針まで分かりやすく解説しています。
背表紙は行った日付の記録や、印象に残った作品、感想などが書けるようになっている優れものです。
内容的にも大人でも十分役立つ内容です。
これ、全国の県立美術館に作ってほしい!
そしてこちら大量の資料は作品に関する説明です。
漢字には全てルビがふってあり、内容もそれぞれ分かりやすく、時にユーモアを交えて説明しています。
全てにカラーの作品画像が掲載されているので、鑑賞した作品がいつまでも印象に残ります。
このような資料を他の美術館でも見たことはありますが、大体中心的な作品にのみ作られていることが多く、全作品⁈と思うほど多くの資料が配布されているのは本当に驚きです。
素晴らしいその3・所蔵作品ミニガイドがスゴイ!
先ほどの1枚の資料も驚きですが、こちらはさらに16ページの小冊子になっているミニガイドです。
収蔵作品の作者についての詳細な情報がたくさんの画像と共に掲載されています。
美術館には数多く行っていますが、その場で学んだことってなかなか記憶に残らず、毎回毎回勉強の繰り返しのようなところがあります。
図録を見ればいいのでしょうが、なかなか図録を頻繁に開くことはありません。
あの重たい図録がもっとコンパクトだったらなぁ、といつも思っていたので、このミニガイドには感動してしまいました。
最終ページには年表と担当した学芸員の方のお名前まで記載されていて、本当に素晴らしすぎます!
まとめ
広島県立美術館の企画展「皇室の美と広島展」、
特に精巧で可愛らしいボンボニエールに魅了されました。
二つの企画展、どちらも素晴らしくて楽しめましたが、
何と言ってもこの県立美術館全体に、そしてさまざまな詳細で分かりやすい資料にあふれるアート愛が素晴らしすぎます。
それはHPの「スタッフが語る県立美術館の魅力」にも表れています。
学芸員さんのみならず、美術館で働かれているさまざまな方が美術館愛を語っていらっしゃいます。