天然素材で描く「やんばる」の動植物!菊田一朗「やんばる屏風展」

やんばる屏風展

目次

天然素材で描く「やんばる」の動植物!菊田一朗「やんばる屏風展」

クイナの森から芭蕉布会館へ

芭蕉布会館

ヤンバルクイナ生態展示学習施設クイナの森から、西側に戻って、次は喜如嘉(きじょか)にある「芭蕉布会館」を目指しました。

昨年、そして今年の11月と受験した「きもの文化検定」で勉強した国の重要文化財である喜如嘉の芭蕉布の産地にある会館です。

今回山原(やんばる)に行くことが決まり、通り道になるのでどうしても寄ってみたかった場所です。

喜如嘉の芭蕉布は、今年東京のホテルオークラの敷地内にある美術館・集古館での展覧会でも見たのですが、

芭蕉布会館

本場でぜひ見てみたいと思って、今回の旅の行程に組み込んでもらいました。

会場内は撮影が禁止されているので写真はありませんが、1階が展示室、2階が作業室になっています。

ちょうど作業の様子を記録した動画が始まるところだったので、みさせてもらいました。

なんと入館料は無料の大宜味村立のこの会館、昭和61年に完成したそうです。

芭蕉布会館

無料ではあまりにも申し訳ないので、芭蕉布の復興に尽力し、今年亡くなられた平良敏子さんの業績に感謝してわずかばかりの寄付をさせていただきました。

旅友の友・アーティスト菊田一朗さんの個展を訪ねて

喜如嘉の芭蕉布会館の後は、道の駅おおぎみに寄り道をして屋我地島を目指します。

屋我地島では今回の旅友の友人のアーティスト・菊田さんが個展を開催中で、

その個展にお邪魔する予定になっています。

道の駅おおぎみ

道の駅おおぎみは「やんばるの森ビジターセンター」と言って、

大宜味村を中心とした北部の野菜や肉、魚、弁当、パン、お菓子などを販売する直売所や、

道の駅おおぎみ

食堂、パーラーなどの飲食店、

道の駅おおぎみ

やんばるの自然を知ってもらう映像ホールなどになっています。

道の駅おおぎみ

ぐるりと視察をして、次の目的地・屋我地島へと向かいました。

島とはいえ、本島とは橋で繋がれています。

道の駅おおぎみ

菊田さんの個展はアーティスト自ら作品を解説してくれることになっていて、その約束の時間より少し早く島に到着しました。

時間調整で古宇利島へ

時間調整、そしてお昼タイムと言うことで、近くの古宇利島に寄ってみることにしました。

前に古宇利島に来た時よりもだいぶ様子が変わっていて、橋を渡った左側に飲食店や野菜やフルーツ、食品などの販売店のある施設ができていました。

古宇利島

いくつか飲食店が入ったフードコートのようになっていて、安田(あだ)の民宿の朝ご飯でまだお腹の空いていない私はノンアルと一緒にこちらのタコスにしてみました。

古宇利島

思ったよりボリュームがありましたが、一ついいことを学びました。

このタコス、中に5ミリ角くらいに刻んだきゅうりが入っていて、それがとても食感が良かったのです。

自分で作るとき、真似しようと思いました。

菊田一朗「やんばる屏風展」へ

Villa Muse Okinawa

菊田さんの個展会場に到着しました。

今回のこの展覧会はVilla Muse Okinawaという木の建物が美しいヴィラを貸し切って開催されています。

全ての棟にプールがついていて、プールサイドでのBBQもできるそうです。

木の枠組みが素敵な落ち着いた室内は贅沢な空間で、ゆったりとした島時間が楽しめる素敵なヴィラです。

Villa Muse Okinawaはこちら:https://yagaji-ensemble.com

やんばる屏風展

100年先を考えて描く

やんばる屏風展

菊田さんは1961年生まれなので私と同じ年。

ご出身は福島県で、2006年から沖縄県国頭村で制作活動を続けています。

楮(こうぞ)100パーセントの手漉き和紙に、伝統的な日本画の画法でやんばるの動植物を描いた屏風を中心に制作しています。

やんばる屏風展

もともとは水彩を描いていたそうですが、描いているうちにケミカルでできた水彩絵の具で絵を描くことに疑問を感じるようになり、自然からできた墨や日本画の顔料を用いて作品を作るようになったそうです。

自然の素材だけでできた作品は、時を経るほど成熟し、何世代にも渡って生き続けることができる。

またその成熟を見据えて、100年先を考えて制作している姿勢が印象的でした。

例えばこちらの作品(左側)は背景部分に時間経過とともに錆びて黒化していく素材・銀が使われています。

やんばる屏風展

また植物の一部は金の素材を使用して描かれています。

100年後には銀の部分は黒くなり、その中に金で描かれた部分が浮き出て見えるはず。

そんなことを考えて制作されているのだとか。

しかも銀の部分は市松模様になっているので、黒くなったとしても一様に黒くなるのではないはず。

100年後に見られないのが残念ですが、想像するだけで楽しくなりました。

この日の私の一番・伊集(いじゅ)

いつも絵を見る時、寝室の壁に飾る絵を探す気持ちで見ています。

今の住まいをリノベーションした時に寝室の頭側の壁だけ、紺色にしてもらいました。

そこに大きな絵を飾りたいとずっと思って探しているのですが、未だ仮の絵が飾られています。

今回もそんな気持ちで作品を拝見していて、こちらがその壁に飾りたい作品でした。

やんばる屏風展

作品名を「伊集(いじゅ)」という、二曲の屏風です。

「伊集」はやんばるで見られる植物だそうです。

この花もそうですが、沖縄の花と言うと赤とかピンクとか鮮やかな色の花のイメージが強いですが、もともと沖縄に存在していた花は「白い」花が多いのだそうです。

すみれも沖縄では白いイメージなのだそう。

花の可憐さ、葉っぱの緑色の清々しさ、そして先ほど出会ったヤンバルクイナのかわいらしさ。

この絵をあの寝室の壁にかけられたらなぁ。

買えるものなら購入して帰りたい!気持ちでいっぱいでした。

屏風ミニ知識

やんばる屏風展

ちなみに屏風は幾つの面で構成されているかで二曲とか四曲とか呼ばれます。

この屏風は2面で構成されているので二曲の屏風です。

一つの面は扇(せん)と言って、右から左へ一扇、二扇と数えます。

6つ折りの屏風なら六曲で、右から一扇から六扇までになります。

また左右で一組になった屏風を双(そう)と数えます。

二曲の屛風が対になっていれば二曲一双(にきょくいっそう)と言います。

対になっていない片方だけの屏風は隻(せき)と数え、双の右を右隻(うせき)、左を左隻(させき)と呼びます。

なのでこの作品は二曲一隻の屏風と言うことになります。

まとめ

やんばる屏風展

沖縄の屋我地島でヴィラを貸し切って開催された菊田一朗「やんばる屏風展」。

アーティスト自らの説明を聞きながら作品を鑑賞できる素晴らしい機会をいただきました。

その技法、素材や描く対象へのこだわりから、自然への畏敬の念を強く感じました。

また作品にはその全てが反映されていてとても興味深く鑑賞することができました。

また菊田さんの作品を見る機会があればぜひ行きたいと思います。

やんばる屏風展

 

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